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GUIDE 02

3,000万円控除を
確実に活かす税務チェック

相続した家を売るとき、条件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円が控除されます。
知らずに売ると数百万円の差が生まれることも。 適用条件と見落としやすいポイントをチェックリスト形式でまとめました。

読了時間:約6分 対象:相続物件を売却予定の方
※ 本ガイドは一般的な情報提供を目的としています。適用判断は必ず税理士・税務署へご確認ください。

3,000万円控除とは何か

不動産を売ったときに生じる利益(譲渡所得)には、通常20〜39%の税金がかかります。 ただし条件を満たす場合、この利益から最大3,000万円を差し引いて計算できる特例があります。

売却価格 取得費・譲渡費用 = 譲渡所得
↓ 控除を適用
譲渡所得 最大3,000万円 = 課税対象額

譲渡所得が3,000万円以下であれば、税金がゼロになる可能性があります。相続後の売却では多くのケースで大きな節税効果があります。

2種類の控除を理解する

「3,000万円控除」と一口に言っても、相続した家の売却では2つの制度が関係します。 どちらが使えるかは、物件の状態や売却方法によって変わります。

制度 A

空き家特例
(相続空き家の3,000万円控除)

相続で取得した空き家を売るときの特例。2027年12月31日まで適用可。一定の耐震要件または解体が必要。

根拠:租税特別措置法第35条第3項

制度 B

マイホーム特例
(居住用財産の3,000万円控除)

売却する人が実際に住んでいた家を売るときの特例。相続後も一定期間居住していた場合に適用可。

根拠:租税特別措置法第35条第1項

2つの制度は同時に使えません。また、両制度を同じ年に別の物件で使うことも原則できません。どちらが有利かは、必ず税理士に確認してください。

適用条件の詳細

どちらの制度も、細かい条件があります。主なポイントを整理します。

制度A|空き家特例の主な条件

被相続人が一人で住んでいた家であること

相続開始の直前、亡くなった方が一人で住んでいた家に限ります。二世帯・賃貸部分ありは原則対象外。

相続開始から3年以内の売却

相続が発生した年の翌年から数えて3年目の12月31日までに売却する必要があります。期限を過ぎると適用不可。

耐震基準を満たすこと、または解体して土地として売ること

旧耐震の建物の場合、①リノベ等で現行耐震基準に適合させるか、②建物を解体して更地で売るかのどちらかが必要です。ゼロラボのリノベ再生ルートでは、費用持ち出しゼロで耐震改修から売却まで一括対応できます。

売却価格が1億円以下

売却価格が1億円を超える場合、この特例は使えません。

相続人自身が居住していないこと(空き家であること)

相続後、売却するまでの間、事業・賃貸・居住に使用していないことが条件です。

よくある落とし穴3選

適用できると思っていたら実は対象外だった——そんなケースを3つ紹介します。

01

「3年以内」のカウント方法を間違える

よくある誤解は「相続日から3年」というものですが、正確には 「相続が発生した年の翌年から3年目の12月31日まで」です。 相続が2022年12月なら、2025年12月31日が期限になります。 期限を過ぎてしまうと控除は一切使えません。

02

解体タイミングを間違える

建物を解体して更地で売る場合、解体は売買契約後ではなく、契約前に行う必要があります(2024年以降の改正で「引き渡し前」でも一定条件で可となりましたが、要確認)。 また、解体後に駐車場などに利用すると「空き家」条件を満たさなくなる場合があります。

03

相続人が複数いると控除額が按分される

相続人が複数の場合、3,000万円の控除は相続人の人数で按分されます。 例えば兄弟3人で相続した場合、一人あたりの控除額は1,000万円になります。 全員合わせて3,000万円という上限であることに注意が必要です。

申告前チェックリスト

売却後の確定申告の前に、以下の項目を確認しておきましょう。

【物件・相続の確認】

  • 被相続人(亡くなった方)が一人で住んでいた家か確認した
  • 相続日を正確に把握し、3年以内の期限を確認した
  • 相続から売却まで、賃貸・事業・居住に使っていないか確認した
  • 相続人の人数を把握し、按分後の控除額を計算した

【建物・耐震の確認】

  • 建物の築年数・建築確認日を確認した(旧耐震:1981年5月31日以前)
  • 旧耐震の場合、耐震改修か解体かの方針を決めた
  • 解体する場合、売買契約前に解体を完了させる(または引き渡し前の条件を確認)

【書類の準備】

  • 被相続人の住民票の除票(死亡前の住所確認用)を取得した
  • 耐震基準適合証明書(または解体証明)を取得・準備した
  • 売買契約書・仲介手数料の領収書を保管した
  • 税理士への相談・確定申告の依頼を済ませた

売却タイミングと税額の関係

売却時期によって税率が変わる点も見落とせません。 不動産の譲渡所得税は、所有期間によって2種類の税率が適用されます。

所有期間税率(所得税+住民税)注意点
5年以内(短期譲渡)約39%税負担が大きい
5年超(長期譲渡)約20%税率が半減する

相続で取得した不動産の場合、亡くなった方が所有していた期間も引き継ぎます。親が20年住んでいた家であれば、相続直後に売っても「長期譲渡」の税率(約20%)が適用されます。

つまり、相続物件の多くはすでに「長期譲渡」の条件を満たしています。 ただし3,000万円控除の「3年以内」という期限もあるため、 「早く売る」と「長く持つ」のバランスを税理士と相談しながら決めることが重要です。

次のステップへ進む

資産診断で控除適用後の手残り額の目安を確認するか、
事例で実際の数字とプロセスのイメージをつかんでください。

営業の押しつけはありません。いつでもお断りできます。